心臓は全身に血液を送り出すため大事な臓器です。そのため心臓に不具合が生じると全身に様々な悪影響を及ぼします。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は様々な心疾患の原因となります。健康に長生きするためには生活習慣病の是正が大変重要となってきます。また種々の原因によって心臓に不具合が生じた場合でも、的確に評価して適切な治療を行うことでより健康に近い心臓の状態を保つことが可能になります。これまで心臓外科医として経験してきたことを生かして、適切な内服治療を行い、場合によっては適切なタイミングで高度な治療(カテーテル治療や心臓手術)を受けていただけるように専門医療機関と連携しています。心臓の調子が心配だったり、生活習慣病を指摘された方は遠慮なく受診しご相談ください。
心不全
心臓は全身に血液を送り出すための重要な臓器ですが、虚血性心疾患や弁膜症、不整脈などによって、十分に血液を送り出すことができなくなった状態のことを心不全と言います。心臓のはたらきが低下してくると、「疲れやすい」、「息が上がる」、「体を動かすことが億劫になる」といった症状が出てきます。患者さんによっては「以前できていたことができなくなった」や「歳をとって体がきつくなった」と感じることがあります。当院では胸部レントゲンや心電図検査、心臓超音波検査、血液検査を行うことで心不全の評価を行うことが可能です。前述したような症状を感じた場合、何か以前と違うと感じた場合はご相談ください。
冠動脈疾患
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、すぐに体に悪影響を与えませんが、生活習慣病を放置していたり、適切に管理していなければ、すこしずつ体をむしばんでいきます。冠動脈は心臓自身が正常に働くために酸素や栄養素を供給するとても大事な血管です。生活習慣病は動脈硬化(血管の老化)を促進し、冠動脈狭窄の原因となります。冠動脈が狭くなると、心臓全体に血液が充分に行き渡ることができずに、狭心症を引き起こしたり、冠動脈が閉塞してしまうと心筋梗塞に至ります。狭心症・心筋梗塞には様々な症状があります。安静時や体を動かしたときに「疲れやすくなった」、「胸の圧迫感を感じる」「胸が締めつけられる」「左肩が痛い」「歯が痛い」「冷汗が止まらない」といった症状を感じる場合や、睡眠中~早朝にかけて胸が締めつけられる症状を自覚する場合は冠動脈疾患の可能性があります。確定診断には冠動脈造影検査や冠動脈CT検査が必要ですが、的確な病歴聴取を行い、心電図検査や心臓超音波検査を行うことで早期診断を行い、重症化する前に冠動脈カテーテル治療や、冠動脈バイパス手術を受けることが可能になります。前述したような症状を感じた場合、何か以前と違うと感じた場合はご相談ください。
心臓弁膜症
心臓には4つの部屋があり、それぞれの部屋には部屋を仕切る扉=弁があります。「扉の開きが悪くなる=狭窄症」「扉の閉まりが悪くなる=閉鎖不全症」といった弁の不具合によって、心臓に負担がかかったり、十分に血液が送り出せなくなる心不全を引き起こされることがあります。原因としては弁の老化(劣化)のこともありますが、明らかな原因がない場合もあります。心雑音を指摘されたり、「疲れやすい」、「息が上がる」、「体を動かすことが億劫になる」といった症状を感じた場合は弁膜症の可能性があります。当院では胸部レントゲン検査や心臓超音波検査を行うことで診断が可能ですのでご相談ください。
不整脈
不整脈とは脈が乱れたり、早くなったり、遅くなりすぎたりと脈拍が正常な状態でないことを表します。心臓には目には見えない電線があり、その電線を電気信号が伝わっています。年齢を重ねると多少の脈の乱れは起こるといわれています。すぐに体に悪影響を及ぼすことは決して多いわけではなく、不整脈のすべてが怖いわけではありません。しかし不整脈の種類によっては生命を脅かしたり、脳梗塞を引き起こす可能性があります。心電図検査や24時間ホルター心電図検査を行うことで不整脈の検出・診断ができますのでご相談ください。
動脈硬化の評価
当院では四肢の血圧・脈波を測定し、血管年齢・動脈硬化の程度をチェックすることができます。高血圧や糖尿病、脂質異常といった生活習慣病をお持ちの方で血管年齢が気になる方はお気軽にご相談ください。